寿美菜子8thシングル「black hole」を聴きました。
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寿美菜子さん通算8枚目のシングル「black hole」が、本日発売となりました。
みなちゃんのディスコグラフィとしては、2ndアルバム「Tick」以来、約7ヶ月ぶりとなる1枚。
この7ヶ月の間に、みなちゃんはスフィアデビュー以来ずっと保ってきた黒髪ロングをばっさりと切った。
☆cut☆|寿美菜子オフィシャルブログ「みなころび八起き」Powered by Ameba
こんなに短くなったのは、2008年に映画「blue bird」で中性的な少年の役を演じて以来なのではないか。
みなちゃんはブログの中で、髪を切ったことについてこう語っている。
今年、アルバム「Tick」を
リリースさせてもらって、
いろんなことをやり切ったー!と
思えました☆
ロングヘアで表現することや、
ロングヘアの自分に飽きていたのと
新しい自分を見てみたくなって、
ばっさり行ってみました^^
「Tick」というアルバムには、確かにそれだけの意味が詰まっていたと思う。
1stシングル「Shiny+」から4年。
ひかりのしずくを味方にして、自分の歩幅を信じて、ひたすらに走り抜けてきたその1分1秒が結実したのが、あのアルバムだった。
正直に言うと、最初にこの「black hole」を聴いた時の感想は
「なんかすげーカッコいいけど、わからん!!!」
というものだった。
つまるところ「これまでの寿美菜子」を前提に、いつもと同じチューニングで聴いていたら、私にとっては頭の中に「?」が浮かんでしまう曲だったのだ。
2度目に歌詞カードをみて、3度目にPVをみて、4度目にみなちゃんによる楽曲紹介をみて、5度目にみなちゃんにインタビューを読んで。
そうしていくうちに、少しずつ少しずつ、この楽曲の全貌が明らかになっていく感覚。
この「black hole」という楽曲は、リスナーとしての私が、みなちゃんの加速に始めて突き放された瞬間だったんだと思う。
私は色んなことを試したり、迷ったりしながらも、それでも一歩一歩足取りを確かめるように、スピードを上げていきながら前に進んでいくみなちゃんの音楽が大好きだった。
絶えないで変わってく世界のいたずら
パラレルみたいに浮かんでくるひとりごと
僕がいつかそうだ大人になるまで
交わんなくたってもいいでしょう?
この言葉を歌った「pretty fever」の次のシングルが「Belive X(クロス)/交差点」という「交わる事」を強く意識させたシングルだった時には、両方ともが傑作だし、確かに寿美菜子の言葉であったからこそ強く驚かされたのを覚えている。
みなちゃんの最大の魅力はこの「新陳代謝」にこそあるのだと思っている。だからこそ、誰よりも「一瞬一瞬の輝きを捉えていたい」と感じたし、流した汗と吸収したこれまでの全ての事柄が、みなちゃんを輝かせていた。
ただ、この音楽はいつまでも出来るわけではない。18歳で自分が何者なのかを探すように、自分自身の歌を歌い始めた、みなちゃんの「若さ」が可能にしていた部分も多分にあったのだ。
最初の頃は「もっともっと輝けるのにな」と、もどかしく思いながらも、その先に見えている輝きを信じて。そしてそれを一つずつ叶えていく姿に、大きな希望をもらいながら、私はみなちゃんを見つめてきた。
そうして刻んできた時間の集大成が、前作「Tick」であり、みなちゃんはそれをやり尽くしたのだ。
だから、この「black hole」はそんな時間の延長線上にあるものだけれど、過去を振り返って聴くべきものではなかった。
「Tick」は辿りついたと感じたけど、「black hole」はその辿りついた場所の、その先の姿なんだ。
あの飛び立つ姿の美しさは、決して終着点ではなく、むしろスタートラインに過ぎなかったのだ
飛び立った先にこそ、寿美菜子の答えがある。
so I'm sorry 迷い込んだ
このダンジョンにはもう
何も期待は無いよ
言うならばそう
真っ暗な black hole
この楽曲はそんな無限に広がる可能性をみなちゃんがハッキリと提示してくれた曲なのだと、私は受け取った。
「黒」という色を絵の具で作る時、理論上は様々な色を全て混ぜ合わせれば混ぜ合わせるほど、「黒」に近づいていくのだという。
Tickの初回版のブックレットでみなちゃんは、様々な色の寿美菜子というものを表現してみせてくれた。
この「黒」は、それらが全て混ざって、一つになった姿のかもしれない。
今まではやりたい事がたくさんあって、色んな場所へ全力疾走していたみなちゃんが、今回のPVでは一人分の幅しかないトンネルを、ただ「光」へ向かって、真っ直ぐに走り出している。
これまで色々なところへ向かっていたエネルギーが一つに束ねられた結果が「黒」という色の表現。全てを吸収して黒くなった、まさに「black hole」なのだと感じる。
だから髪をばっさりと切ったことも、この「black hole」で歌った「黒」の表現も、全ては「これから」の為に変わっていくことの覚悟そのものだったのだろう。
3rdツアーで私は恐らく、真の意味で寿美菜子に恋をすることになる。
その確信を得るには充分すぎる、素晴らしい一枚でした。