シュークリームちゃんを守る会(麻倉ももさんの楽曲『シュークリーム』についての考察)
まいど!オタクです!(※ブログが久しぶりすぎて、どういう導入で書き始めていいか分からなくなった哀しきオタク)
4月8日、麻倉ももさんの2ndアルバム『Agapanthus』がリリースとなりました。
発売日にもうサブスクが解禁されている!そんなことあるんだ……。(インターネット老人)
非常に良いアルバムだったので、是非聴いて下さい。
このインタビューも含めて聴くと、より一層深く味わえる一枚になると思います!
いやぁ~麻倉ももさん、モチモチしていて可愛いですよね!
アルバム『Agapanthus』聴いてみてはいかがでしょうか?
以上です!
嘘です!(アルバム聴いてくれればいいというのはそう)
『シュークリーム』という楽曲を聴いて(1回目)
お世辞にも、麻倉ももさんのディスコグラフィを真面目に追いかけてきたとは言えない私なので、2曲目に収録された『シュークリーム』という楽曲とは、このアルバムを聴いて初めて出会いました。
麻倉ももさんは「恋の歌」を歌ってきたアーティストです。
初めて聴いた時は、アルバム1曲目の『365×LOVE』からの見事な流れで、甘くてふわふわしていてかわいいね……と思ってしまったというのが正直なところでした。
「私シュークリーム」という歌詞も、例えば、うちの姉などが言ってたら「は?」と言ってしまうんですけど、麻倉ももさんが「私シュークリーム」と歌っていても、いや本当にそうだよ……シュークリームだよな……となってしまう力がある。シュークリームにも格というものがあるんだよな。
しかし、シュークリームのように甘かったのは、どうやら私の楽曲に向き合う姿勢のようでした……。
『シュークリーム』という楽曲を聴いて(2回目)
「もちょだよ〜」じゃなくて「【重要なお知らせ】」で通知が来るとかなしいきもちになってしまうので、早く平和な世の中になって欲しい
— ケイスケ (@gkeisuke) 2020年4月8日
予定されていた店舗でのリリースイベントが、新型コロナウイルスの影響で、急遽、オンラインリリースイベントとなってしまいました。
そのため、私もリリースイベントを観ることが出来たのですが、そこで、麻倉ももさんはこんなことを言っていました。(33分52秒ごろ~)
シュークリームはねー。第三者から「大丈夫?その人?」って言っても、お互いが幸せなら、それでいいじゃんという、ざっくり言うとそういう曲なんですけど。
私も歌ってはいるんですけど、麻倉ももとしては第三者なので「えー、本当にこの人大丈夫なのかな?」「幸せ?」ってBメロにあるように聞きたくはなるんですけど。まあ、本人が幸せそうなので、私は良しとしてますが。
シュークリームが、一番、こう「うーん。へー。そういう考えあるんだー」というのは思います。
シュークリーム、そうなんだ…………
— ケイスケ (@gkeisuke) 2020年4月12日
麻倉ももさんから、そんな辛辣なコメントが出てくるとは思わず、虚を突かれた私は「シュークリーム、そうなんだ…………」としか言えなくなってしまいました。
改めてちゃんと歌詞カードを確認してみたところ、頭がクラクラしました。
シュークリーム、改めて歌詞を読みながら聴いたら、ちょっとDVとかに発展しないかシュークリームちゃんのことが心配になってきた……
— ケイスケ (@gkeisuke) 2020年4月12日
そして、気がついたらシュークリームの魅力にのめり込み『Agapanthus』というアルバムの中でも、この曲ばかりを、繰り返し聴くようになっていました。
『シュークリーム』の歌詞を紐解く
歌詞を紐解くにあたって、改めて『シュークリーム』の定義を調べてみることにしました。
ここで注目したいのが、シュークリームは『空洞』の中にクリームを詰めたお菓子であるという点です。
歌い出しから、シュークリームの歌詞を順に追っていきます。
フワフワのベールで包まれた
甘い甘い恋ゴコロ
ダメだね最後は許してしまう
私シュークリーム
この歌詞においては「フワフワのベール」がシュー生地の比喩であり「甘い甘い恋ゴコロ」というのがクリーム部分の比喩となっています。
総じて、この曲を歌う女の子(※以降、シュークリームちゃんと呼びます)が自分のことを『シュークリーム』と比喩しているのには、彼への恋心を除けば、自分は空洞なのだという自己肯定感の低さのようなもの感じざるを得ません。
これをセリフにすると「ごめんね。私、バカだから……」となります。シュークリームちゃん、めっちゃ言いそう……。
続けます。
お出かけする約束を 忘れてしまうくせに
アナタの都合だけは 絶対なんだよね?
本当は行きたいカフェも 話題のテーマパークも
我慢を重ねて 今日も部屋でゲーム
ダメだ!!!!!
シュークリームちゃん!!!!!
その男はヤバい!!!!!
話が死ぬほどぶっ飛ぶのですが、私はこの歌詞を見た時『園田競馬ビギナーズガイド』という漫画を思い出していました。
先ほどの歌詞をもう一度思い出してみましょう。
お出かけする約束を 忘れてしまうくせに
アナタの都合だけは 絶対なんだよね?
完全にトシ君だ………………………。
歌詞を続けましょう。
ねぇ何で不機嫌なの?
眠いのに起こされてまだ怒ってるの?
すぐに謝っちゃう私
謝るな!!!!!
起きないお前が悪い!!!!!
謝っちゃうからトシ君がつけあがるんだ!!!!!
他人をマウントしたい、支配したいという欲求が強い人に目をつけられて、その人の個人的な欲求を満たすために、まるでサンドバッグのように都合よく利用されてしまう可能性もあります。
一刻も早く別れないと、シュークリームちゃんがヤバい!!!!!
フワフワのベールで包まれた
甘い甘い恋ゴコロ
アナタの気持ちを覗き込んでるの
時々スネたりしちゃうけど
そっぽ向きたくなるけど
ダメだね最後は許してしまう
私シュークリーム
許しちゃダメなんだ!!!!!
一回分からせてやれ!!!!!
コイツに!!!!!!
いつも先を歩くけど実は歩幅合わせて
私が追い付ける距離で歩いてる
みんなが知らないだけで私はちゃんと気付いてる
アナタの優しさ 目には見えないって事
ようやくトシ君の良いところが出てきました。
シュークリームちゃんの先を歩いているように見えて、なんと、実は歩幅を合わせて歩いてくれている。
この歌詞、すごいのが、具体的な優しさエピソードが「実は歩幅合わせて私が追い付ける距離で歩いてる」の1点勝負で、後は「みんなが知らないだけで私はちゃんと気付いてる」「アナタの優しさ目には見えないって事」という抽象論に終始していること。
これが信頼関係の証であればいいのですが、シュークリームちゃん、もしかすると彼氏のいいところが、歩幅を合わせて歩いてくれることしか見つからなかったんじゃないか…………という懸念もあります。
誰にでも無愛想で怖い人だと勘違いされてるけど
猫が好きだったりする
ね、猫が好きだったりする~~~~~!!????(卒倒)
DV事件の難しさのひとつは、加害者の支配欲が、いびつな形であるにせよ「愛情」の表れであり、また、往々にして加害者側が暴力をふるった後に優しく振る舞ったりすることなどから、被害者側が「この人は私のことを愛してくれている。」「本当は優しい人なんだ。」「私が悪いんだ。」「私がいなければ、この人は駄目なんだ。」などと思い込み、DVの連鎖を断ち切れないことにあります。
シュークリームちゃんは、前出の自己肯定感の低さからか「本当は優しい人なんだ」「私が悪いんだ」という思い込みの連鎖に陥っているような気がします。
細かい事なんて気にいない
それが私らしいでしょ?
アナタのイヤミも流してしまう
時々は優しくされたい
そんなに甘くはないけれど
冷たい態度も許してしまう
私シュークリーム
非常に危うい自己肯定の仕方と、共依存の関係性にあるように思います。
「時々は優しくされたい そんなに甘くは無いけど」という歌詞、シュークリームちゃんを、麻倉ももさんとして想像すると泣けてきてしまう。
彼氏に優しく、大切にされることは、そんなに難しいことじゃないはずなのに……。
それで幸せなの?って
友達に聞かれる度 考えるの
アナタがいて幸せなんです
まず、シュークリームちゃんに心配してくれる友達がいたことは、何より良かったことです。
ただ、このフレーズをわざわざ歌詞に含める段階で、シュークリームちゃんにとっての愛情に「他者からの評価」は必要なく、自分が満たされていればそれでいいという価値観であることが分かります。
それは愛の形として、究極的には正しいことだとは思うのですが……。
私は下唇を噛みしめながら、涙を流し、シュークリームちゃんの幸せを祈ることしかできません。
フワフワのベールで包まれた
甘い甘い恋ゴコロ
アナタの気持ちを覗き込んでるの
時々スネたりしちゃうけど
そっぽ向きたくなるけど
ダメだね最後は許してしまう
甘すぎるのかな
厳しくしなくちゃ でも
まるでシュークリーム
ダメだ…………!
やはり、お前のような男にシュークリームちゃんは任せられん!!!!!!
どうしてもというなら、私を倒してからにしろ!!!!!
番外編:シュークリームちゃんストーカー説
シュークリームを聴いていたんですが、この曲、一方向からの視点しか知り得ないというのがポイントで、恋愛関係にあると明言されているわけでもないので、穿った聴き方をすると、勝手に付き合っていると思い込んで、ストーカー行為を行なっている女の子の歌という可能性もあるのかもしれんな……
— ケイスケ (@gkeisuke) 2020年4月15日
その場合、歌い方のディレクションとしては純粋であればあるほどいい(シュークリームちゃんは付き合ってると思っているし、シュークリームちゃんは幸せなため)と思うので、背景を伝える必要もないという気はする
— ケイスケ (@gkeisuke) 2020年4月15日
『ストーカーズ』というめちゃくちゃ良い漫画があるのですが、付きまとい行為をやってる側は自覚的ではない(幸福である)というパターンは往々にしてあるし、一方向からの見方だけで決めるのはフェアではないので、シュークリーム・アナザーバージョンの登場が待たれる
— ケイスケ (@gkeisuke) 2020年4月15日
一つ言えるのが、絶対にDVとかストーカーとか、そんな物騒な言葉を扱った楽曲ではないということなんだよな
— ケイスケ (@gkeisuke) 2020年4月15日
終わりだよ~(o・∇・o)
こんな言ってますが『シュークリーム』アルバムの中でもかなり好きな曲で、何より、ライブではどんな表情で歌われるのか、とても気になってしまいました……。
『Agapanthus』というアルバムについては、先日、ツイキャスでお話した青Pさんのお話が本当に素晴らしく、強く感銘を受けたので、是非こちらをお聴き下さい。